記事: 世界レベルで戦う ~宮浦健人が感じた「世界で勝つために必要なこと」

世界レベルで戦う ~宮浦健人が感じた「世界で勝つために必要なこと」

海外リーグでの経験を経てSVリーグに復帰し、代表活動ではエースとして大車輪の活躍を見せた宮浦選手。世界最高峰の舞台を戦い抜くための徹底したコンディショニング術、そして自身の成長への飽くなき向上心について、熱い想いを語っていただきました。

国内リーグ(SVリーグ)復帰、そして過酷な代表戦へ
ーー 昨シーズンはSVリーグ復帰シーズンとなりました。改めてシーズンを振り返って、日本のリーグの印象はどうでしたか?
海外のリーグに比べて、日本だと週末(土日)の連戦の試合になるので、その分やはりリカバリーが必要になります。また、日本という国・リーグはディフェンシブなリーグなので、(海外に比べて)ラリーが続く。本当に強度が高く、疲労度も違いますね。
ーー SVリーグ復帰を選択した理由はどのようなものだったのでしょうか?
昨年からリーグ自体が(Vリーグから)SVリーグに変わり、外国籍の枠も1つ増えて、SVリーグ・日本に世界のトップ選手が来るので、よりレベルの高いリーグになるのかなと思ったからです。そういった意味もあり、日本リーグ・日本のバレーが盛り上がっている中で、自分自身もそこでプレーして成長したいという思いがあって、SVリーグを選びました。
ーー その後の代表活動では、各国への移動と週4戦というさらに過酷な日程でした。全試合に出場し、個人として好成績を残せた要因はどこにありますか?
疲労がある中でうまくコンディションを保つことができて、ケガもなく終えれたというところは非常に自分自身のマネジメントができていたと思います。ただ、チームとしては勝てなかったので、自分自身としてはやはり大事な1点だったり、大事にしたいところで、もっともっとやれたことはあったのかなとは感じています。そこは自分のエネルギーに変えてまた成長したいです。

「空き時間はすべてリカバリー」プロフェッショナルな活用術
ーー 代表活動では日程的にSVリーグ以上にハードだったと思いますが、コンディショニングやリカバリーはどのように行っていましたか?
試合が終わって、アイスバスだったり、トレーナーの方にケアしてもらったり。セルフではTherabodyのTHERAGUN PRO Plus(セラガン プロ プラス)やJetBoots Prime(ジェットブーツ プライム)を使って、そんな感じで試合をやって終わったらすぐに空いている時間はもう全部リカバリーに充てていました。
ーー セラガンはリカバリーだけでなく、アクティベーション(ウォームアップ)としてもお使いだとか。
はい。ウォームアップとして筋肉をほぐしたり温めたりとすごく重宝しています。自分はスパイクで酷使する肩に当てたり、太ももの外側、腰なども。特にウォームアップでは、まだ動けていない、固まっている部分もあるので、そこに当てたりしています。
ーー セラガンで特に気に入っている点は?
新しいアタッチメントの「ヒート」と赤外線LEDが筋肉を温めてくれるので、すごく良いなと思うのと、アタッチメントによって違う刺激を与えられたりするので、すごく活用しています。背面や腰も(三角形の)持ち手のバリエーションで問題なくやりやすいですね。
ーー ジェットブーツ プライムは遠征中やご自宅で?
そうですね。遠征先のホテルや自宅の部屋でベッドの上で寝ながら、携帯とかを触りながらでもリカバリーができるので、全然めんどくさくないですし、履けば良いだけなのですごく助かっています。チーム備品にも同様の機器はありますが、個人で持っているジェットブーツ プライムは自分のタイミングでやれるし、他のチームメイトに気を遣わず長くできるので重宝しています。

ケガの経験が教えてくれた「コンディショニング」の重要性
ーー 昨シーズンは怪我による離脱もありました。ケガの経験を経て、ケアの意識は変わりましたか?
すごく変わりました。捻挫がこんなに痛いんだって思って(笑)。初めて長期離脱をして、メンタル的にもきつかったので、やはりケガはしたくないなってすごく感じました。リカバリーに対してもより意識が高まりましたし、練習もウェイトトレーニングも、ケガには気をつけようという気持ちを持ってフォームも意識したり徹底してやっています。
ーー コンディショニングに気を配ることで、パフォーマンスにも良い影響は出ていますか?
そうですね。意識することで、比較的安定したパフォーマンスを出せるようになりましたし、しんどい状況でもより粘り強く、やれるようになったのかなと思います。

理想のオポジット像と成長のルーツ
ーー ご自身の武器はどこだと思いますか?
やっぱり点を取るという部分ではスパイクであったり、サーブというところは自分自身の武器なのかなと思います。
ーー 理想のオポジット像はありますか?
やはり苦しい時に点を決めるというか、本当にその日の調子がいいか悪いか、どちらにしても20点以降だったり、本当に最後の1点というところをしっかり決めきる選手になりたいなと思います。
ーー 海外でプレーされた経験は、宮浦選手にとってどういったものでしたか?
言語の部分での壁はありましたが、それも一つ素晴らしい経験でした。言葉を理解し、話せるようになるというのは自分にとってプラスでしたし、また、海外の日本とは違う価値観や文化に触れることは、すべてが新鮮で、すごく楽しかったし、刺激的でした。
ーー バレーボール選手に限らず、若い世代が外の世界に出ることはおすすめしますか。
はい、それはすごくおすすめします。一人の人間として広い世界を見るという意味では、やっぱり海外に出て、いろんな人に触れ合って、いろんな価値観・文化に触れるっていうところは一人の人間として成長できると思います。

【来たる新シーズンへ】エースとして目指す「改善」と成長
ーー 代表活動では攻撃はもちろんですが、ディグなど守備面での貢献も光っていました。ご自身ではどう評価していますか。
日本の強みは「守備」なので、得点を取るポジションとはいえ、そこにも貢献していかないといけないと思っています。ただ、まだ自分の評価としては、日本の守備に対しプラスでいられているかというと、まだまだなのかなと思っているので、もっと守備力というところは求めていきたいです。
ーー 今シーズンはウルフドッグス名古屋での新たな挑戦となります。SVリーグ継続を選択した理由と、エースとしての意気込みは?
昨年プレーしてみて、本当に改めてレベルが高いと感じ、そこで自分自身もまた違う環境に身を置いて成長したいという想いがありました。新チームでは自分らしさを出して、前任のトップクラスの選手に並ぶような活躍をしたい。そういったプレッシャーを自分自身にかけてやっていきたいと思います。
ーー 今年1年・今シーズンのテーマはありますか?
常に「改善」ということは意識しているので、テーマは「改善」でしょうか。より効果的なスパイクが打てるとか、レシーブができるとか、色々なスキルもそうですし、どうやったらより良い自分になれるかというのは意識してやっています。

最後に部活生やバレーボーラーに向けてのメッセージ
自分が一番大切だなと思っているのが、積み重ねることが大事だと思うので、日々の練習やトレーニングをしっかりやって、それプラス、コンディショニングをしっかりやっていければ、必ず、微力なんですけど、0.0何%ずつ積み重ねて成長していけると思うので、そういった気持ちを大事にしていただければと思います。
宮浦 健人 選手 プロフィール
所属チーム:ウルフドッグス名古屋(SVリーグ)
ポジション:オポジット(OP)
生年月日:1999年2月22日
身長/体重:190cm/86kg
プレースタイル:高い打点からの協力なスパイクと強烈に曲がるバナナサーブと呼ばれるジャンプサーブを武器とするエース。
主な経歴:鎮西高等学校(2014-17)〜早稲田大学(2017-21)〜ジェイテクトSTINGS(2021-22)〜PSGスタル・ニサ(ポーランド, 2022-23)〜Paris Volley(フランス, 2023-24)〜ジェイテクトSTINGS愛知(2024) ウルフドッグス名古屋(2025-)
使用モデル
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